2012年1月23日月曜日

タイの洪水その後

昨年のタイの洪水は各地に甚大な被害をもたらしました。今は乾季で雨に見舞われることもなく、洪水の恐れは皆無です。しかし、数ヶ月たった今でも、その名残を見ることができます。タイの洪水というのは、我々がイメージする洪水とは全く異なったタイプの災害です。日本では、集中豪雨や台風などの被害で、水量がいっきに増加し河川が氾濫して洪水をもたらすというものです。これは、急激に襲ってきます。しかし、水の引くのも早く、掲載した動画が示しているような痕跡を見ることはまれです。アユタヤの宿の主人によると、二ヶ月ほど水に浸っていらっしゃったそうです。いわゆる水がじわじわと侵入し、時間をかけて引いていくというパターンです。河川の構造そのものが大きく異なっています。日本の川は下流から50キロ、100キロもいけば、河川の標高は数百メーターに位置します。それに比べるとインドのガンジス川などは、500キロ川をさかのぼっても、標高はまだ海面から50mだったりすることがよくあります。日本の川は急流となって一気に海に注ぐわけです。しかし、大陸を流れる川はゆっくりと時間をかけて海に流れこんでいきます。地元の人々にとって、こうした洪水は毎年起きて当たり前と感じているようで、特に大きく騒ぎ立てるわけではないようです。昨年の12月バンコクのタイ文化センターで洪水の写真展がありました。水没した列車の中をかき分けて進むタイ国鉄、高速道路が巨大駐車場に早変わりした様子、ボートで移動する人々、膝の高さまで浸水しても普段と変わりなく生活する人々。

さて、水が引くと、次に抱えるのがゴミの問題です。川の氾濫は土地を肥沃にすることで、農業がうなく循環していくというサイクルがあります。しかし、このバランスは急激に崩れようとしています。現代社会の構造が大きく変化し、今まで農業地帯だった場所が工業地帯に変化しています。日常生活では、すぐに大地に帰らない品物を多く使うようになりました。プラスチック製品や金属製品など分解に時間のかかる素材が使われています。こうしたゴミの残骸が洪水で水が引いた場所に溢れてしまいます。しかもその量は半端なものではありません。人間が物を作り、利便性を向上させ、その恩恵を受けていると思うのは錯覚なのかもしれません。その結果ゴミの輩出に翻弄されつづけなければなりません。

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